最初が肝心
新しい板やボードを買うと同時に、ホットワックス道具を買った人も多いかと思います。
新しい板やボードには、ワックスがほとんどついておらず、ソールのミクロレベルの隙間はスカスカですから、最初にホットワックスをしっかり浸透させてベースを作ってあげる必要があります。
ここでしっかりとワックスを浸透させてあげると後のホットワックスの持続性等が大きく変わることになります。
しかし、ここに難易度の高い情報が多いです。
ベースの作り方
まず、ガリウムのサイトなどを見ると、ピンクを3回、バイオレットを3回、ブルーを3回、出来れば各10回以上、ホットワックスをすると説明してあります。
また、SWIXのサイトを見ても、4週間かけて、CH10、CH8、CH7、CH6(ガリウムよりも1種類多い)を各1週間最低毎日2回ずつホットワックスしろと言っています。
なぜこんな面倒なのでしょうか、また、ホットワックスを初めてするようなレベルの人もこんなことをしなくていけないのでしょうか。
新品のスキーやボードのソールには隙間がたくさんありますから、ワックスをしっかり浸透させることが必要です。そのために、何回もワックスをしなくてはいけないのは仕方ありません。
しかし、硬いワックスはなかなか浸透しませんし、ワックスが浸透していないソールにいきなり高温のアイロンをたくさん当てると焼け付きが起こりやすいので、春スキーのような暖かいとき用の柔らかいワックスを低温でしっかり塗り込むことから始め、少しずつワックスを硬くしていき、段階的に硬いワックスを浸透させていくことで、しっかりとしたベースを仕上げる訳です。
理屈は分かります。
もっとも、本当にそこまでしないといけないのかと腰が引ける人も多いと思います。
簡単な方法
実は、SWIXが公式のホットワックス動画を公開していて、そこで、新しいスキー板やスノーボードにワックスを浸透させる簡単な方法を説明しています。
それが下記です(なぜか消えてしまった)。
消えてしまったのですが、この動画では面白い方法を説明していました。
CH10という柔らかいワックス(ガリウムのピンクに相当)を塗って冷まします。しかし、そこでスクレ―ピングもブラッシングもせずに、またCH10でホットワクシングします(追加は少し)。
これを4回から5回繰り返せばいいと言っていました。
なお、十分に奥底まで浸透させるのが目的ですから、ワクシングペーパーは使わずに(通常のワクシングを説明する別の動画では使っています)、かなりたっぷりワックスを垂らしてホットワックスしています。
もちろん、最後はスクレ―ピングしてブラッシングします。
そして最後に低温用の硬めのCH6(CH8とCH7があるのですが飛ばして、また超低温用のCH4ではない)をホットワックスするという方法です。
スクレ―ピングしないで何度も塗るあたりがまさに簡易版で、何が面倒と言ってもスクレ―ピングとブラッシングが面倒で、新品のスキー板やボードの場合、大事なことはスカスカの状態にしっかりワックスを浸透させていくことですから、やわらかいワックスを何回も入念にアイロンがけしましょう、そこだけは最初にしておきましょう、ということだと思います。
SWIXの公式動画が紹介してたくらいですから、ありなんじゃないでしょうか。本来のやり方の面倒さに圧倒されて何もしないよりははるかによく考えられた方法だと思います。
新品を購入したらとりあえずこれをしておいて、滑り行く前に、行く場所に応じたワックスを塗ればよいかと思います。
なお、SWIXのCH10に特別な意味はありませんから、ガリウムのピンク&紫、TOKOのNFイエロー&レッド、ホルメンコールのアルファミックスイエロー&ベータミックスレッドなど、自分の気に入ったブランドでよいと思います。
競技選手でもないのに、何十回もできないよという人にはありな選択肢だと思います。
これでよいんじゃないでしょうか。